大学入試の今後-共通テストから見る新傾向 [大学受験コラム_09]

登場人物A

こんにちは。副教室長の三原です。
今回は、大学入試の今後についてお話ししたいと思います。

先日、初の大学入試共通テストが行われました。

初期の入試改革の予定と異なり、コロナ禍の実施で何かと不安の多い船出となりました。

本コラムでは入試改革に基づく新傾向を探っていきたいと思います。

平均点

まずは、共通テストの平均点から見ていきたいと思います。

今までのセンター試験は平均点がおおよそ6割ですが、

共通テストは5割になるように作られているそうです。

教科 科目 満点 2021年度平均点
[
中間集計]
2020年度
平均点
前年差
外国語 英語リーディング 100 58.81 58.15 +0.66
リスニング 100 56.16 57.56 -1.4
数学 数学Ⅰ 100 39.10 35.93 +3.17
数学Ⅰ・数学A 100 57.68 51.88 +5.8
数学Ⅱ 100 39.50 28.38 +11.12
数学Ⅱ・数学B 100 59.93 49.03 +10.9
国語 国語 200 117.51 119.33 -1.82
理科 物理基礎 50 37.56 33.29 +4.27
化学基礎 50 24.65 28.20 -3.55
生物基礎 50 29.17 32.10 -2.93
地学基礎 50 33.52 27.03 +6.49
物理(得点調整前) 100 62.36(57.82 60.68 +1.68
化学(得点調整前) 100 57.59(51.06 54.79 +2.80
生物 100 72.65 57.56 +15.09
地学 100 46.65 39.51 +7.14
地理歴史 世界史A 100 46.12 51.16 -5.04
世界史B 100 63.48 62.97 +0.51
日本史A 100 49.55 44.59 +4.96
日本史B 100 64.26 65.45 -1.19
地理A 100 59.97 54.51 +5.46
地理B 100 60.06 66.35 -6.29
公民 現代社会(得点調整前) 100 58.40(51.96 57.30 +1.10
倫理 100 71.96 65.37 +6.59
政治・経済(得点調整前) 100 57.03(49.87 53.75 +3.28
倫理,政治・経済 100 69.26 66.51 +2.75
総合型 5教科7科目文系型※ 900 553 547 +6
5教科7科目理系型※ 900 569 552 +17
5教科6科目型※ 800 504 493 +11

【注意】

※科目平均点は大学入試センター発表の数値
◇2021年度平均点は1/22発表の中間集計のもの、得点調整を実施した科目は調整後の平均点
*( )内は得点調整前の平均点
◇2020年度の英語は筆記・リスニングの平均点を100点満点に換算したもの
◇総合型は河合塾推定値
※総合型
◇5教科7科目文系型…英語・数学(2科目)・国語・理科(1科目)・地歴公民(2科目)受験者
◇5教科7科目理系型…英語・数学(2科目)・国語・理科(2科目)・地歴公民(1科目)受験者
◇5教科6科目型…英語・数学(2科目)・国語・理科(1科目)・地歴公民(1科目)受験者
 (母集団には5教科7科目文系型、5教科7科目理系型を含む)
*理科①は2科目を1科目とみなして集計

[2021年1月22日発表 河合塾 Kei-Netより]

第一回共通テストの平均点が発表されました。

大手予備校等では今回の平均点は下がると予想していましたが、

昨年と大きくは変わっていません

その理由は、昨年のセンター試験の難易度が高く、

また入試の変化について事前にアナウンスされていて

受験生の危機意識が高かったことだと考えられます。

共通テストの今後

今後の共通テストの方向性としては初年度の反省を生かすことにより

「思考力・判断力・表現力」を問う問題が多くなると予想されます。

例えば、複数の資料を組み合わせて考える問題、正解となる組み合わせが複数あるような問題が出されます。

これは全科目に共通して言える変更点です。

今回の共通テストでは、現代文ではメインの文章の他に、

それをもとに作成されたノートや批評が載っておりそこから答えるという新形式の問題がありました。

英語では、スマートフォンでLINEのやり取りをしているようなイラストから内容を読み取る問題や、

英文と図表を照らし合わせて読み取る問題などがありました。

数学では陸上短距離走のストライド、ピッチについての式が与えられ

それを利用して解き進めていくような問題が出題されました。

総じて言えるのは、図表が多用されるということと問題文が長くなっているということです。

今回の共通テストでは多くの教科でページ数が増えています。

また日常生活と絡めた問題も多く見受けられます。

今後さらに今までよりも実践的な問題になり、情報を処理する速さ、正確さが求められるということです。

 

力をつけるためには

文章+資料から内容を理解することに日頃から慣れておくことが重要です。

また、知識だけあればなんとかなるような問題も減っています。

共通テストは基本的に、見たことが無い問題が出ると思っていたほうが良いかもしれません。

初見の問題を解くには知識を入れるだけではなく、知識をどうやって活用するのか考える力が必要です。

この力をつけるにはいわゆる「思考力を試す問題」を多くこなしていく必要もあります。

そして「解答の根拠」を意識する。

例えば、数学を勉強するときには、解法を意識して「この問題はこう!」と問題と解答を1対1で対応させる知識も大事ですが、

なぜこうなるのか」というところまで考えてみてください。

解答の根拠まで考える癖をつけておくことで、初見の問題に対するアプローチの引き出しが多くなります。

 

 

[追記]心の持ち方

私は高校1・2年のとき、学校の授業中にあまりノートをとっていませんでした。
周りの優秀な友達があまりノートをとらなかったからです。
自分だけカリカリ必死に書くのがなんとなく恥ずかしく思えて周りに合わせてしまいました。
これが大失敗で、みるみる授業がわからなくなっていきました。
もちろんノートに書かなかったことだけが原因ではありませんが、これが高校時代の大きなしくじりでした。
恥ずかしく感じるような心の持ち方がしくじっていたのです。
「勉強は他人に合わせてするものではないし、自分には自分に合った勉強法がある。抱えている事情もそれぞれ違うし、自分はこのやり方では成績は伸びない。」
そう気づくまでに時間がかかってしまいました。
皆さんも周りに合わせた勉強をしてしまっていませんか?
勉強するときに必要なマインドは「愚直」です。
友達の反応を窺いながら勉強しても効果はありません。
周りの目を気にしすぎず、ただひたすら自分に必要なことを愚直に取り組んでいきましょう。