こんにちは。副教室長の三原です。
今回は、「古文を楽しく勉強しよう」というテーマでお話をします。
古文に苦手意識がある生徒は少なくないと思います。
実際に私も生徒から「古文が苦手だ」という声をよく聞きます。
なぜ古文が苦手になるのでしょうか。
それは読めそうで読めないからです。
古文も元は日本語です。現代の仮名遣いに直せば読めるような気がします。
それが勘違いなのです。
① 単語の意味が変わっている
古文単語の中には現代とは意味が異なっているものがあります。
・ありがたし
【古】きわめてまれだ。尊い。生きることが難しい。
【現】感謝したい。もったいない。
(有難(ありがた)い→なかなか存在しないというのが語源です)
・うつくし
【古】かわいらしい。愛らしい。きれいだ。りっぱだ。
【現】きれいだ。
(慈(いつく)しむから来ていて、子どもに対してよく使われます)
・おろかなり
【古】いい加減だ。言い尽くせない。
表現が不十分だ。
【現】おろかだ。
(古文では、おろそかだ という意味で使われます)
・かなし
【古】かわいい。いとしい。心がひかれる。 +の表現
悲しい。切ない。 -の表現
【現】悲しい。
(古文では+の表現と-の表現、両方あることに注意!)
これらはごく一部です。
古文を正しく読むためには現代との意味の違いをしっかりと押さえておくことが必要です。
② 昔の常識は今の非常識
・季節の違い
古文の世界では
1・2・3月=睦月・如月・弥生=春
4・5・6月=卯月・皐月・水無月=夏
7・8・9月=文月・葉月・長月=秋
10・11・12月=神無月・霜月・師走=冬
とされています。
季節は今の感覚からは大体1,2か月ほどずれています。
「五月雨を集めて早し最上川」松尾芭蕉の『奥の細道』の中で詠まれた句ですが
5月は夏、五月雨は梅雨の雨のことを指します。
梅雨の雨が最上川に流れ込み、流れが速くなっているという様子を詠んだもの、ということになります。
・結婚の違い
古文の世界では女性は受け身の存在です。
女性は基本的に御簾(みす)というすだれで姿を隠しています。
男性が気になる女性に向けて和歌を書いた「文」をラブレターとして送り
やり取りを経て女性が御簾(みす)を上げ、会うことになります。
その後男性が3日連続で女性のもとに通うと結婚ということになります。。
しかし男性が通わなくなると自然消滅で離婚ということになってしまいます。
現代の価値観で考えると非常に身勝手な男性ですが当時はこれが当たり前でした。
まとめ
古文は昔の日本語ですが、現代とは意味も常識も異なる部分が多くあります。
つまり、古文とは昔と今の違いを学ぶ学問なのです。
「温故知新」という言葉にもあるように昔のことをよく知り、現在の糧とする。
それが古文です。
今と違うところに目を向けて古文を楽しんで読みましょう。